CSRは、結果として稼げる CSR研究は発展途上の分野ですので、本稿で紹介した話が絶対に正しいとまでは断言できません。しかしこのような研究成果を見る限り、「CSRのポジティブ効果を過小評価してはならない」ということは、間違いなく言えそうです。 重要なのは、本稿で紹介した「イメージ効果」「情報開示効果」「保険効果」のいずれも、「外部のステークホルダーに、自分たちのCSR活動をきちんと説明すること」が前提になっていることです。だからこそ、プラス効果が得られるわけです。そう考えるとCSRとは、企業と外部ステークホルダーとの「コミュニケーションの場」の1つと捉えるのが良いのかもしれません。 もちろん、多くの企業がCSRのような社会貢献を目指す場合、その出発点は「善意」であり、あるいは「他社がやっているから」なのかもしれません。しかし善意の結果としてのCSRで「稼げる」のであれば、それは悪いことではないのではないでしょうか。